質問
大阪で動物病院を経営しています。
小さな病院でスタッフ合わせて3人です。
開業から16年がたち、状況もだいぶ変わってきました。
以前のペットブームの時から動物病院の数も増え続け、
激戦地区になってきました。
少し高級な郊外のベットタウンで営業しています。
私のところではニュースレターを隔月で出し、ペットの誕生日カードを送っています。
なるべくお客様との接触を増やしながら堅実に続けてきましたが、
価格のつけ方に悩んでいます。最近この地域では価格が大きく2つに分かれてきました。
高級路線と一般価格です。私の病院は昔から営業をしていて
値段を変えてこなかったので高級価格と一般価格の間の値段で続けています。
今回の相談は、ダイレクトメールやニュースレターに書く料金を、
どのように設定していったらよいのか、またDMやホームページ、
ニュースレターに表示する値段を変えるべきなのか悩んでいます。
価格の考え方について教えて下さい。
回答
なるほどよくわかりました。価格について考えてみます。
ペット業界の価格激戦になっている地域での、
価格については考えさせられることと思います。
価格を考えるうえで、お客さんが感じる価格が高いか、安く感じられるかの判断は、
どのようにして決めているのかについて考えてみましょう。
ティッシュなど商品に、機能や品質に差がないものをコモデティ商品と呼びます。
このコモデティ商品でない動物病院は、価格の設定を病院ごとに変えても、
お客さんが価値を見つけられれば満足でき、高い値段を払ってもOKです。
この価格は何が基本になるかというと「感情」が元になります。
例えば良い治療技術で短期間で治すことができれば、
お客さんが口コミでどんどん紹介してくれると考えがちですが、
紹介はほとんどないのが現実です。
技術が高くても、お客さんがそれを感じてくれなければならないのです。
例えば、同じ症状のペットを、どの獣医が治しても、完治するのであれば
お客さんの「感情」が動きません。
お客さんは、どの動物病院でも同じだと感じると、コモデティ化が起こり、
値段の安い方に判断基準が動いてしまいます。
では、同じ商品なのに値段が10倍以上も違う商品を考えてみます。
例えば「お寿司」です。回転寿司で10皿食べても1000円から2000円ぐらいです。
しかし銀座高級すし店で10皿食べると2万円あるいはそれ以上になります。
この差はなんでしょう?
確かにネタも違うし味も違います。
しかし寿司自体に10倍もの開きがあると、お客さんが考えて食べているのでしょうか?
お客さんは寿司以外にも、銀座という場所、ステータス、店の造り、
板前の態度など、寿司以外にも価値を感じているお客さんがいれば、
高級すし店も繁盛しています。
お客さんにとっての価格は、「良いイメージ」「高い価値」を感じることで決まります。
したがって、お客さんが普通の動物病院という感情があれば、
値段も普通の値段を基準に考えます。
しかし「良いイメージ」「高い価値がある」と感じれば、
より高い料金を支払っても満足します。
「良いイメージ」「高い価値」は、お客さんに感じていただく必要があります。
言わなくても分かるだろうは通じませんので伝えることが必要です。
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